逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

忠臣蔵の本

一昨日はどうも寝付けなかったので、先日京都で買った野口武彦さんの

忠臣蔵─赤穂事件・史実の肉声』ちくま新書 を読みました。

1994年の刊行ですから、もう30年近くも前になるんですね。

バブルははじけてましたが、まだ世の中は元気の余韻がありました。

多くの史料を使いながらも、話の筋を絞っているので、見通しがきく、

読みやすい一冊と感じました。その分その読み筋が正しいかどうかが問われます。

 

 いわゆる四十七士のなかに、俳人(宝井基角の門弟)となって吉良邸の様子を

うかがい、討ち入りにも力を発揮した人物に冨森助右衛門という人がいます。

この本にもそのことはそれなりに描いてあります。

小生は在職中にその助右衛門の子孫の方とお会いする機会があり

先祖調べならぬ「子孫調べ」をお手伝いし、

積年の疑問を解いてさしあげたことがありました。

数百年目にして事実に接する、そういう機会に立ち会うことが度々ありましたが

全てが「よかった、よかった」という話になるわけではありません。

 

先年から赤穂に数度通ったのですが、そのたびに赤穂事件はいつまで

忠臣蔵」であり続けられるだろうかと気になっておりました。

そんなわけで、忠臣蔵に関する読み物を見つけると、ついつい買ってしまいます。

 

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*2005年に東京へ行ったときに泉岳寺にお参りしました。写真は助右衛門の墓碑

 行年三十四とあります。当時ならまさに働き盛り、活躍できたことでしょう。

 お参りした日は1月22日ですので、旧暦なら討ち入りの日に近いかな。

 とっても冷え込みの厳しい朝でした。