逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

老母はデイから帰宅後すぐに夕食をとり歯磨き着替えをさせてすぐに睡眠。

それからこちらが夕食を済ませて自由時間。

9時に一度起こして用をたさせ、再度寝させますが、

そのあと朝まで少なくて2回、多い時は5回くらい小用に起きます。

どうやらデイで昼寝をしないときは、下半身に水分が滞り

それが夜に寝ると上半身に戻って来て排尿が頻回になるとのこと

さすがにくたびれて、昨日からデイで昼寝を励行して貰うことになり

その結果夜間は12時半の一回だけに収まりました。

この調子だとなんとかと思っています。

 

9時に一度起こすまで時間があったので

youtubeNHKライブラリで昔の映像を楽しんでおりました。

歴史的に貴重な映像もあり、こうして数十年たって見て感じることと

同時代の人々が感じていたこととのギャップついて考えさせられました。

ベトナム戦争終結、マルコスやチャウシェスクの退場、ソ連崩壊、ベルリンの壁崩壊

などなど、戦争を体験した親世代とは違うものの、リアルタイムで世界の

大きな変動をよくもこんなに多く「見てきた(ながめていた)」ものだと思いますね。

たまたま文革当時の映像を見て、これまた懐かしく感じておりました。

最近はネトウヨの方たちが盛んに中国批判映像を上げているので

文革についてもたくさんアップされていますが、

そういうのは当時と「真逆」になっただけで見る価値はありません。

 

思い起こすと中学生のころ毎晩北京放送を聴いていて、

同局から切手や切り絵を送ってもらって喜んでいた小生は、

ちょうど文革末期にあたり、それらにあわせて送られてくる

雑誌「人民中国」の文革賛美の記事内容には、

子供心にも?と感じていたことを思い出しました。

たしか北京大学だったか試験の白紙解答をした人物を賞賛し英雄視する記事でした。

伯父が福建省出身の華僑で、毛沢東に触れると複雑な表情になったのも思い出されます。

造反有理・革命無罪」

我々世代は紛争世代より一回り下で、大学紛争も69安保も子どもの目で見ていた程度

で大学に入った当時は同志社で少し動きが残っていた位(佐藤優さんとか)でしたが、

あの時代動きに中国の文革の影響があったことはいうまでもないでしょう。

 

其後毛沢東の死去とともに今度は意図的にか「四人組」がつるし上げられ、

文革批判の混乱に入り、それをごまかすように中越紛争がはじまったりしました。

むつかしいことはわかりませんが一筋縄でいかないあの国のながい歴史をみると、

一人の「皇帝」のために何千人何万人死んでもおかまいないことは想像が付きますが、

それに較べれば日本人の文革に対する評価はとてもナイーブなものだったと

今からなら批判もできましょう。

一方でその番組では、文革開始当時、紅衛兵となって「実権派」のつるし上げに立ち上がった世代の人々が、

酷いことだったとは思いながらも、その時の高揚を活き活きと語り、懐かしんでいるシーンが印象的でした。

 

さても歴史の評価というのはむつかしいものです。同時代を生きた人々には、その人々なりの「たしかな手触り」があり、また肯定感があるでしょう。しかし様々な史料や情報が開示されていくと、客観的な評価としてはそれを否定することも出て来ます。

その狭間のなかを右往左往しながら、私自身もいずれ退場し、私たちが良いと思っていたことの価値もまた逆転してくのでしょう。過去であれ、今であれその時代から「自由」でいられる「記憶」や「記録」などはよほどのことでなければ成り立たない、まあ、世の中はそういうものであり、私はそれでいいのだろうと感じながら番組を見終わり、老母を寝かしつけに部屋を降りていきました。

 

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