不穏なり
今年の夏は身心ともにこたえます。
持病があり、なにごともない時はこれがけろっと治まっているのですが
介護のくたびれと、この湿気の多い天気がわざをしているようです。
冷房なくしては過ごせませんが、といって汗もかかないと調子が狂います。
漢方薬を飲んでいますが今日からはお灸もしています。
ツボ指圧は効果があり、温灸とのダブル効果を期待していますが
ちょっとつらい毎日です。
ストレス解消に「書庫」入って本を物色。
野口冨士男の『私のなかの東京 わが文学散策』岩波現代文庫を持ち出します。
数年前に本郷三丁目から出発して菊坂を通って一葉の旧宅蹟をみて
善光寺坂を登って伝通院、それから小石川へ出て植物園まで歩きました。
その時もっていたのがこの本でした。
伝通院の手前善光寺坂の途中にある沢蔵司稲荷の雰囲気は、
この本の印象のままでしたし、
伝通院から北西に抜けていく道筋も印象深く歩きました。
ガイドブックになるわけではありませんが、いくつかのエリアにわけて
自分の記憶と今見る街とそこを舞台とした作品や作家を語っています。
東京の文学的散歩は一つのジャンルと思いますが、
明治末年生まれのしかも山ノ手育ちの作者だけに、
その後のブームになった下町を中心とした東京論とは
また、ちょっとちがう味わいがあるように感じました。
きつい風でした
雨台風と思っていましたが、なかなかきつい風が長時間吹きました。
今朝になって辺りを見渡したら、ご近所の屋根瓦が数枚落ちて居ました。
昔はよく瓦が飛びましたが、最近は軽い屋根材を直接釘付けするので
見た目はヤワでもかえって頑丈なとか。
昔ながらに土を置いて瓦を葺いているような我が家は、
台風がくるたびに戦々兢々です。
大雨、大風のあとは家の周りから、よく点検しておかないと酷い目にあいます。
台風一過はさらに蒸し暑く朝からエアコンはフル回転です。
虫たちは久しぶりの雨で花が元気になったのを狙って盛んに飛び回っています。
多少近寄っても無心に蜜を吸っていて逃げません。
しばらく鳴りを潜めていた蝉は、ツクツクボウシにメンバーが入れ替わり
夕方と明け方には、ヒグラシがまるでこの世の無常を語るように鳴いてくれます。
いよいよ八月もあと一週間。
「明日からは空気が入れ替わって……」というアナウンスが待ち遠しいですね。
*いつもの散歩道もこのとおり
*フゥもだいぶ葉っぱがちぎれ飛びました。
炎暑で焼かれ台風でもまれたので今年の紅葉は期待薄です。
これは残暑か?
気温の上がるのは覚悟の上で入洛しました(ただし電車にて)
市役所前から出町枡形商店街まで、影をたどって歩きました。
途中下御霊神社と梨木神社の井戸で給水しましたが、
これがなかったらとても歩けませんでした。
京都市歴史資料館で「明治150年 京都、写真の時代」なる企画展を拝見
京都の写真史のうち近代の部分を紹介と言う感じでしょうか。
スペースのこともあってちょっとくいたらない感じです。
この施設は京都市史編纂からの長い調査研究の蓄積があるところですが
見る者からするとやはりしかるべき規模の市立博物館がほしいですね。
数十年来言われていて実現しないのですから、実現は無理なんでしょう。
綺羅星のような地元企業さんなんとかしませんかねぇ。
その後 清浄華院の墓地を探検。出町にたどり着いたらなんとなく動悸がするので
あわててアーケードの中のスーパーに入て涼をとり、水分補給をしました。
この商店街、ちかごろは出町座などで話題もありますが、
個々のお店は閉店が増えました。どうなっていくのかな?
ここから相国寺辺りまで路地を歩こうかと思いましたが
さすがに今回はさすがに危険と思いあきらめました。
冷房のキンキンに効いた市バスに乗りうつらうつらしているあいだに京都駅に到着。
壁のような駅建物に遮られて南北の風が通らないこともあってか
駅前広場は猛烈な暑さでした。
*寺町御池上ルにて
この暑さでもスーツを着なければならない方はたいへんです。
冬になるとこの辺りまで北山からの吹雪が降りてきますが……。
今日はここから先が実に暑かったです。
*京都御幸町教会にて 「鶴亀町」とはなんともめでたい町名
秋を待ち気に……
このまま秋になってくれるんでしょうか。
怪しいですね。
夕方自転車で近くのスーパーへ買い出しに。
いつもの畑は晩夏の趣。
栗の青いイガも秋を待ち気でしたね。
買ったのは鯛のアラ、サバの味噌づけなど。
肉より魚がからだにあうようになりました。
書かれている文章はどれも70年代半ばまでのもの
旅行記がなかなか味わい深いです。
夕食後窓から、涼風に乗ってお隣のピアノの調べが聞こえてきました。
まずまずよい一日でした。
*ちょうど上記の本が出た頃に買ったレンズでパチリ、
古いレンズはコントラストが低かったり、フレアが出たりしますが
これはポジフィルムみたいな色合いです。
フィルム時代はほとんどモノクロオンリーでした。
送り火を見る
仏大の八木先生が名調子でしたし、ゲストのハナシもうまくからみ
映像もよかったです。久しぶりに堪能しました。
五山の送り火といいますが、いわゆるマンド(万燈)で
その起源譚はしばらくおくも、
精霊送りと「火の風流」があわさったものなのでしょう。
日本の宗教をいうときに、神仏儒の三教をいい、宗教史もそれに沿って語られますが
もう一つ「民俗」が忘れられているのではないでしょうか。
どんな宗教も文化も「民俗」化しなければこれまで伝えられてこなかったと思います。
行事を守っておられる地元保存会の方の努力に頭が下がります。
さて。朝夕、涼しくなってから、チョイ乗りをしています。
今日は琵琶湖に多くの中学生がこぎ出していました。
結構波があるので、よたよたしている艇がありました。
湖上は気持ちよさそうです。
*地元の中学生のようです