大学の道は明徳を明らかにするにあり
夕食後「大学章句」三巡目読了。
儒学とりわけ朱子学を学ぶ上でもっとも重要なテキストとされています。
小生が使っているのは、江戸時代に「教科書」として使われた和刻本ですので
読み下すのに便利なように返り点や送り仮名があり、文の区切りには「。」が入っています。
それでも漢文に慣れていないとそう簡単には読みくだせません。
彼の地で出されたものは訓点もなにもない白文なので、どこで切って読んだら良いか?
から始まって一仕事になります。
熟で先生が竹の鞭で机を打ちながらリズムを取って読ませてたんでしょう。
ところどころに下手な墨字の書き込みがあったりします。暗唱できるまで読んでたはずです。
たしか高校の倫理か世界史で「格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下」って
いうのを習いましたよね(八条目)。あれについてとても熱く語られております。
原理主義的な朱子学は嫌われますが、今に通じる一つの理想でしょう。朱子は死の直前
まで筆を加えていたということです。読み物としてもなかなか面白いですよ。
それに全国の大学や高校などの校名には「大学」をはじめとして「四書」からとったもの
が少なくありません。
例えば、写真にも見える「三綱領」の「明明徳」からとって「明徳」を冠した学校なん
かはその代表でしょうか。
さてと、明日からは「中庸章句」に入ります。
*朱熹(朱子)の序に続く本文冒頭 大きな字の部分が「経文」、割り注になっている
ところは、朱子が先学の見解などをひきつつ自身の解説を記す「注文」。
ちなみに本書は三条富小路にあった有力書肆、升屋弘簡堂の版になります。