逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

和刻本漢籍を購入

漢文を習っていると、活字になったテキストではなく、版本で持ってみたくなります。

といって彼の地で出だされたようなものは、高くて手に入りませんし、不必要です。

その点和刻本なら、ハードルが下がりますし、訓点がはいっていれば、やはり読みやすい。

今年は老子を読もうと決めていたので、

国会図書館のDBで版本をダウンロードしたものをプリントして読み始めたのですが

今ひとつ気分がのりません。えぃっとばかり、古書店で求めてみました。

今回のは、宇佐美灊水考訂の王注老子道徳経(明和七年)です。

王注というのは王弼(おうひつ・中国三国時代の魏の学者)が注をつけたもので

老子のテキストとしては最も知られたもの。それを江戸時代中期の儒者宇佐美灊水(しんすい)がさらに考訂を加えて刊行したもので、老子を勉強するうえでは大変優れたテキストとされています。

本来上下二冊からなるんですが、入手したのはこれを一冊に合綴してあり、題簽の「上」の字を「全」の字に改め!!てあります。その上表紙に相当の傷みもあり安価でした。

 

蔵書印がいくつか捺したり、消したりしてあるので、何人もの手を経てきたようですが

最も新しそうな小ぶりの印に朱文で「戸川芳」とあり、これは中国学者で、小生にとってはふだん使っている全訳漢辞海(三省堂)の監修者である戸川芳郎先生の旧蔵書と気がつきました。

それで?といわれれば、それまでなんですが、ちょっとウレシイ。

 

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