若葉の雫をいただいて
小雨のなかを入京。
授業中、学生さんが体調不良になりまして、
時節がらまわりもざわつきました。
トイレが感染空間ということを聞きます。気をつけないと。
図書館の地下書庫で2時間ほど調べ物をして地上に出たら
雨はほとんど止んでいました。
傘をさすほどでもなし、若葉の雫をいただいて、あたりを散歩しました。
吉田山はもう薄暗いほどです。
ここ一週間の朝起き一番の読書(そのあとは母の世話)は、
三好達治の『諷詠十二月』、いまは講談社文藝文庫にもおさまっているようですが
先日百万遍で戦時中に出た新潮叢書を求めました。学ぶことの多い本です。
ちなみに文藝文庫のサイトでは、つぎのように紹介されています。
「この書は詩歌の理解に熱心な、あるいは熱心ならんと欲せらるる、比較的年少の初学の読者を聴者として、著者の素懐を仮りに題を設けて説かんと企てたもの……」。昭和17年9月、太平洋戦争のさなかに書下された本書は、万葉から西行、子規、晶子の短歌、菅原道真、新井白石、頼山陽の漢詩、芭蕉、蕪村、虚子の句、朔太郎、犀星の詩等々、秀作を鑑賞し、美と真髄を明かす、詩歌入門の不朽の名著。
上記の他「等々」には明治天皇や昭憲皇太后などの御製が含まれます。
それはともかく当時の「比較的年少の初学の読者」が、このレベルなのかということに驚かされ、
これがまた戦時下から戦後にかけて何万部も刷られたことにまたびっくり。
いや、昔の人からすれば、当世人がほんを読まないにびっくりかとは思いますが……。
今まで読んでいなくて、ずいぶんと損をしていた気分になる、そんな本ですね。
*コレクション?
善行堂によったら林哲夫画伯の新著『日々スムース』が置いてあったので
キリのよい番号を引き抜いてきました。
帰宅後数頁よんで、このまま一気に全部読んでしまうのが勿体なく思われたので
続きは寝床で……。