書き込みあり
そうそう、今日帰途、百万遍近くの古本屋さんで中国文学者青木正児の
『江南春』(弘文堂・昭和16年)を求めました。
函はあるのに表紙は和紙が貼り付けてあって
原装丁はもうわからなくなっているような本、しかも
「書き込みあり」とのことですが、200円なので文句はなし。
ところが、まだ中身を読む前に、奧の見返しをひっくり返したら、
なにやらペンで走り書きが認めてあります。なになにと読み下してみると……
女房、我の先つごろの浮気を責めたれば殴り、未だわめければ庖丁の背で
こつんとやる。彼風邪気と病み寝つく。二人の餓鬼のおむつ洗なと■の食事の
世話でくたくた。その他雑用多々。
小説から書き写したにしては稚拙だし、元所有者のメモとしたらちょっと物騒。
いずれにしても『江南春』なる本の落書きとしては、感心しません。
いい感じに古風な蔵書印も捺してあり、名字はわかりますが……。
それにしても、変な本を手したものです。
函にあしらってあるのは画像石の拓本でしょうか?