お悟りか?
今朝も五時過ぎに家を出まして、いつもの河原畑を通って湖畔まで走りました。
例によって大きな柿の木の下でクマバチの羽音を聞いていたのですが、
風があるのか、柿の花がバラバラと音を立てて落ちてきました。
しかし、それは道をではなくて、畦の斜面にはえた蕗の葉を叩いている音でした。
そうやろな、アスファルトの道をいくら叩いてもあんな大きな音はしませんもの。
こうやって、毎年この季節には、柿の花は蕗の葉を叩いている。
聴く人とてない夜中も。
そして花は毎年変わり、蕗の葉も毎年生え替わっています。
この音を聴いている私もいずれいなくなる。でも変わらず繰り返される。
そのとき思ったのは、この蕗の葉も柿の花も蜂も、どれもが私なんだなぁということです。
蕗は私、蜂は私、柿の花も私、そして逆もそう、そこを貫いているのは
もう私とかを通り越したなにかじゃないか、と気がつくのです。
なるほどな、そうなんや。
煩悩具足の凡夫ですが、なんとなくすーっとしましたよ。
びしよ濡れの狐出てくる蕗畑 石田郷子