果無山脈
今週2回目の入洛。
7時前に着いてしまいましたが、することは多いので……。
一限目の授業が終わったら図書館にて3時前まで自習。
節約生活中のためお昼はおにぎり2個でがまんです。
帰路善行堂に寄ったら、VIKINGのバラが出ていて、
中を確認したら、ちょうどその387号(1983年3月)に
好きな宇江敏勝さんの「小辺路紀行」が載っていたので求めました。
小辺路とはいわゆる熊野詣のルートの一つで、高野山から南下して
本宮~那智~新宮と詣でる古道。
もちろん世界遺産として整備されるずっと以前のこと
途切れがちな古道を探訪、というよりルート上の山村を、
江戸期の参詣記録とあわせながら訪ねていくという趣向で、
作家でかつ山林労働を生業とされていた氏らしい視点が随所にみられ、
旅行記とか山行記録でもなく、民俗採訪でもない味わいが醸し出されていて
引きつけられました。
私も学生のころに湯の峰温泉に一週間ほど泊まり、古道の周辺を歩きました。
この作品とだいたい同じ頃なので、たいへん懐かしく感じましたね。
その頃は民家の屋根はまだ石を載せた板葺きが多く、
山の畑には粟が植わっていました。
生涯にいくつもの仕事をしたという人が結構いて、
まるで宮本常一の描くような世界がそこにありました。
その時眺めた山に「果無山脈」(地元ではハテナシとよんでいました)
があり、その名前に惚れて、いつか縦走したいと思っていましたが
どうやら果たせそうにはありません。
宇江さんは新宿書房から選集?が2期にわけて出されているのですが
単行本だけ持っていて、それらはまだ入手出来ていません。
揃えてみようかなという気もしているのですが……。
全部がいいと思うわけでは無いし
第一なかなか揃わないのですね。
それにしても善行堂さんはやく真ん中のシマを整理して値づけしてね
通路が狭いと、本棚に近くなりすぎて
老眼者には本の背文字を読むのが辛いのだよ。
まぁ私のような老人ではなく、
妙齢の女性が「この奧はどんな本があるのかしら……」なんて囁いたら
「僕今日片付けようと思ってたとこです」なんてのたまって
さっと片づくのでは……。これは私の夢想ですけど。
*相変わらず地べたを徘徊しております。