余韻の作家
夜半から台風を思わせる吹き降りとなりました
4時過ぎに老母の世話に起きたら、もう空が白んできたので
起きたままでいようと、小説の類がほとんど無くなった本棚から取り出したのは
里見弴の短編集(小谷野敦編『木魂 毛小棒大 里見弴短編選集』中公文庫)です。
昔の、しかも一度忘れられたような作家というイメージがありますが
岩波文庫には数冊入っていて、『極楽とんぼ』や『道元禅師の話』は読みました。
市井の人々のなかで、日々その与えられた役目をつとめながら、なにかほのかに希望
をもっていたり、ちょっとしたことで辛い目に遭いながら、意に介さないで生きていく
そんな感じの登場人物の身のこなしが、読後にしんみりとした余韻を残す作家だなぁ
と感じていました。朝ご飯までいく篇か読んで、もう少し読んで見ようかなと思っています。
でも、いつのまにこの文庫買ってたんでしょう。