おくのほそ道
寝る前のひとときに読む本。
一昨日から角川ソフィア文庫の『新版おくのほそ道』にチャレンジ。
以前から定評のある一冊です。
時期的にもちょうど今頃、奥州路を進んでいたわけで
昨夜はいよいよ松島までやってきました。
歿するわずか5年前の旅であり、日数百五十日、旅程六百里と聞かされると
あだやおろそかに、まぁ布団の中に転がって読むようなものではないと思いますネ。
でも、読んでいくとその完成度の高さ、密度の濃さが素人にも感じられ、
ちょっと息苦しい気分になります。
旅の苦労もさることながら、旅のあとに作品に仕立て上げる編集作業で
芭蕉はその命を削ったのではのではと思わせられます。
芭蕉の故郷伊賀上野も、上方での活動の拠点となった大津~石山界隈も
私にとっては、いろいろとなじみのある土地ですので
きちんと読んで見たいという気持ちなんですが、さて……。
老母をデイに送り出してから、好天に誘われ、1時間ほど走ってきました。
*唐橋のたもとで 芭蕉の句に「五月雨に隠れぬものや瀬田の橋」があります。
*京阪電車石山寺駅にて、このあたり蛍の名所「蛍谷」。芭蕉の句にも「このほたる田
ごとの月にくらべみん」があります。
正面の森続きに石山寺。右手奥に幻住庵、瀬田川ぞいに下り前方の山あいを南下すると信楽、
さらに進んで御斎峠を下ると伊賀上野です。意外に近い。
生涯に何度も帰った上野からはこれを逆にとり、支援者の多い膳所に入ったと思います。
*夏を思わせる陽気です 近江国庁跡あたりにて