五足の靴と京都
風呂上がりに所在が無いので
書棚を開けて背表紙をながめていましたら
岩波文庫の『五足の靴』を見つけました。
表紙に「明治40年盛夏。東京新詩社の雑誌『明星』に集う若き詩人たち
―北原白秋、平野萬里、太田正雄(木下杢太郎)、吉井勇がいさんで旅に出た。
与謝野寛との五人づれは長崎・平戸・島原・天草と南蛮文化を探訪し、阿蘇に
登り柳川に遊ぶ。交代で匿名執筆した紀行文は新聞連載され、日本耽美派文学
の出発点となった」
とあります。
でも29章にわかれた紀行のうち26からあとは、じつは京都のことが書いてあり、
九州探訪とあわせて面白く読むことができます。
一行が泊まった宿は東三本木の「信楽」ご近所に賴山陽の山紫水明処があります。
「奧の離亭(はなれ)の簾を捲くと、下は直ぐちょろちょろと賀茂川の流、左には
糺の森、右には丸太橋を越えて三条の大橋、正面には如意ヶ嶽、吉田山、黒谷の
塔が見える。比叡山を初め東山三十六峰は一望の中に緑だ。」
この文章を読んでから早速グーグルをのぞき込んでしまいました。
検索を続けていると、↓のような論文もヒットしました。なるほど……。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/SK/2008/SK20081R037.pdf
おそまきながら『洛北随筆』も入手することにしました。
このへんですね。右に丸太町橋。