逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

緊急事態宣言下ですが所用のため入京。

百万遍のパーキングにクルマを置いて

用事の本体を済ませると

クルマのなかから自転車を引っ張り出し

そのまま北へ向かい、松ヶ崎あたりから西へ

髙野川を渡り、上賀茂あたりをまわっていつものように

神馬堂にてやきもちを求めます。

それから御薗橋の所で川沿いに南下。

北大路橋で西に渡って大谷大学から鞍馬口の土手下あたり

寺町に入ってさらに南下し出町の古本屋に寄って、再び百万遍へ戻る。

結局ニ時間ほど走りました。

北山に白いものはみえませんでしたが、寒かったです。

 

出町では坪内祐三編『文藝春秋 八十年傑作選』(文藝春秋・平成15年)

これはゆっくり楽しめそうですが、

編集後記に坪内は「百周年の時に再開を期して。よろしく」とあります。

 もう一冊は興善宏『杜甫─憂愁の詩人を超えて』(岩波書店)。

 

百万遍では新刻改正論語朱子集注)。

明治になって出された和刻本で、どこでも見つけられます。四書全10冊のうち。

現役時代なんども仕事先で触っていたのに、あのとき貰っておけばわかった。

蔵書印や寄贈受け入れ印が捺してあり、これによると

昭和4年に京都女子高等専門学校(京都女子大の前身)の

揺籃期から成熟期へ|学校法人 京都女子学園

蔵書になったものが、昭和10年に関係機関の「顕真学苑」に寄贈されたものらしい。

当該学苑はその建物、北区小山西元町にありました。

不思議なことに今日はその跡あたりを自転車で走っていたわけです。

顕真学苑(旧親鸞聖人研究館) : 近代建築Watch

どうやら昨年末に解体になったそうなので、

あるいはその際に処分されたものかもしれないとおもっていましたが、

その後神保町系オタオタ日記をみると、昨年京都市内の古書店

同苑旧蔵本が多数出ていることが載っているのでやはりそうでしょう。

ただしそのその2冊目に「大原直治良所持」といかにも明治の墨書がありまして

もともとはこの大原家(未詳)から女専へ寄贈されていたのかもしれません。

ところどころ訓読の書き込みがあるのは直治良氏の手でしょうか。

ピカピカの美本もいいですが、いろいろ痕跡があるのが楽しいですな。

もう一揃い後藤点の論語と、別に孟子もありましたが、同じ所から出たようでした。

全体に綴じ糸があぶなくなっているので、手入れをしてあげなくっちゃ。

 

それにしても今日自転車で街中を走ってみると

飲食関係のお店の閉店が目立ちましたし、

北山界隈の結婚式場もどこもやってない雰囲気でした。

魯山人出生地にほど近い上賀茂のあぜくらもやめていましたし……。

コロナも2年目でさすがにどこも持たなくなったんですね。

 

*明神川です、子どもの頃昔この川の流れる音が耳について寝られませんでした。

 大クスもだいぶ老木になってきています。

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*やきもちを買いました。写真の自転車(アラヤのツバメ自転車)、田舎道を走ると

 スピードも出ず面白くない自転車ですが、京都のような街中を走るにはよいことが

 再認識できました。正面「舟形」。

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鞍馬口の加茂川土手下あたりを走ります。

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*出町枡形商店街にて。それなりの人出ですね

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 以上の撮影はNikon 1 v1 なんとかめんどうを見てやることにしました。

手ぶれ制御が弱いので、しっかりかまえないとあきません。

 

*問題の論語集注です。「顕真学苑蔵書」の印があります。

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