水には水の味がする
中学校の修学旅行は東京から関東一円でしたが
担任の先生がその旅先の楽焼(昔は温泉場などにありましたね)の店で
皿に書いた言葉がこれ「水には水の味がする」でした。
「どうや、おまんら(お前ら)にはわからんやろ」とでも言いたげに見せてくれました。
純水には味がないそうで、水道でも谷川の水でも味を感じるのはミネラルのせいらしい。
いってみれば、不純物、夾雑物ということですが、それも生物的には必須な物らしく、
純水ばかり飲んでいたら身体を悪くするようです。
無味無臭とおもわれがちな水にも味がある。
多種多様な子どもたち相手に、教師としての立場で色々お考えだったのかしら、
それとも……。
このトシになると、人生「夾雑物」は、ほどほどはあった方が楽しいと私も知っています。
賭け麻雀はしませんが……。
まぁ、その先生、そのあと帰りの新幹線の網棚からカバンを落として、大事にしまっていた地酒を割ってしまい、あたりによい匂いをさせていましたので、「水」というのはあるいは「酒」のことだったのかもしれません。地酒を呑むことは、その土地の水を味わうことだ、なんて聞かされたことがありますから。
さてさて、下戸の私にはあこがれながらも、たどりつけない境地です。
頭はツルツルでしたが、以外に若かった。
竹の鞭をもって、机をしばきながら授業をしていたあの先生、
今もお元気だろうか?