逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

首里城炎上に思う

未明からの首里城の炎上の報に接して唖然。

原因はまだ不明だし、いろんな意見がでると思いますが、

文化財の活用ということについて、このあたりで一度立ち止まるべき

という警鐘となるのではと思います。

文化財の「活用」が観光サイドからしきりに要請される時代ですが。

史跡であっても建造物があり、それが指定物件であるなど

高い価値をもつ場合(首里城の場合は正殿などが重文)は、

やはり利活用を厳しく制限すべきではないでしょうか。

 

史跡の場合、電柱一本動かす、折れそうな松の枝の伐採するだけでも

現状変更許可申請をして仕事を進めます。イベントの開催もそうです。

近年インバウンドのためにはなんでもアリという風潮はどうかと思います。

 

それについて思い起こされるのは、どこかの政治家が学芸員批判のネタにして

話題になった京都の二条城などのイベント活用です。

ちなみに二条城跡は遺構は国史跡、建物や障壁画は国宝や重文です。

保存と活用といいますが、活用を叫ぶ人達はほとんど保存については顧慮の外です。

いずれこういう取り返しの付かないことが他所でも起こるのではと危惧しています。

 

 消防設備の有無を云々する方もおられますが

仕事上、消防関係者の話をよく聞きましたが、手でかかえるほどの柱がどうやって

燃えるのかとおもうかもしれませんが、どんなに手を打っておいても

燃えだしたらどうしようもないということです。

私自身もそういう現場に立ち合いました。

お隣韓国で以前おこった崇禮門放火事件も想い出します。

 

それにしても再建に関わられた方々は断腸の思いでしょう……。