逍遥游

本を読んだり、無軌道に自転車に乗ったり、オールドデジカメでブラパチしたり……。

さぁ読むぞ

昨日は老母の不穏で一悶着。

薬の力でとりあえず収めましたが、続編はなお進行中です。

家人がネット上に母と同様の症例と家族の対応についての記事を

あっちこっちから探し出し、驚くほどの一致に吃驚。

 

結局の所、医療的には時宜に応じた投薬以外に手のないものですから

あとはこちらの対応如何ということになります。

したがって医者のアドバイスより世上の体験のほうが

寧ろドライに現状への対応と将来への展望を持たせてくれる

というのはなんとも皮肉なことですが現実です。

 

午前中買物がてらブックオフに寄り均一コーナーから一冊。

竹之内静雄『先知先哲』新潮社 1992 を入手。一気に読了しました。

著者は筑摩書房の社長を勤めた人。

生前に師事し、あるいは仕事を通じて交流のあった

先知先哲へ捧げられた文章をまとめた随想集。

13人にわたりますが、筆者は京大哲学科出身なので

同大の看板教授だった吉川幸次郎、小島佑馬についての文は、

とくに内容も多岐にわたり敬慕の念深く描かれ、たいへん面白く読みました。

昔の(いやいまもそうかもしれませんが)出版人というのはすごいですね。

 

ところでこういう下のようなサイトがありまして

本書でも取り上げられている田辺元博士が夫人の葬式に際して筑摩を介して

東京の著名な菓子店に葬式まんじゅうの調製を依頼した一件が載せられています。

http://editus.co.jp/BG_I/s_takenouchi.html

これを読んでふと想い出したのが、森鷗外の小説「興津弥五右衛門の遺書」。

笑ってはいけませんが、仕事とはこういうことなのかと思わせられます。

なお、この著者にはもう一つ、これよりも早く出された『先師先人』がありまして

上記サイトもこちらについて述べたもの、そっちも入手しなくては……。

 

さて、今朝起きて窓を開けると、キンモクセイの花の香りがしました。

モズの聲も聞こえ、道ばたには彼岸花が咲き出しました。

いよいよ読書の秋到来ですな。

 

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