花火の夜
昨夜は涼風が吹き、過ごしやすかったですね。
恒例のびわ湖大花火を見物にいった人達も、涼しくてよかったでしょう。
もともと夏休みはこんな感じだったんですがね。
花火の音は自宅からもよく聞こえるのですが、
大きな建物に遮られて残念ながら見えません
昨年まではテレビで見ていましたが、今年はそれもやめて
窓から吹き込む風にあたりながら本を読んでいました。
このところ夜に読むのは、鴨長明の発心集。
鎌倉初期の仏教説話集ですが、登場人物も変人もいて、人間くさいお話が多いですね。
たぶん長明自身の屈折した人生経験による選択かなと思います。
いろいろあって出家して仏道修業するけれど、根っこはいまでいえば「作家」
じたばたしながら、選り集めた説話をまとめたので
自身の意図はともかく読み手としては「噺」としては面白いのかなと思います。
古い角川文庫版で、原文と簗瀬一雄先生の現代語訳の2部からなり
文庫としても結構大部なのですが、簗瀬先生の解説の口調もなかなか親しみやすい
漢文はどうしても天下国家を論じて、殺伐とした話題が多いので
ときには和物でくつろぎたくなりますね。