雨後読書
昨日は夕方から手が空いたので、近所のブックオフに出かけ、
そこでゲリラ雨の襲撃を受けました。出るに出られず滞留し、
大村彦次郎『荷風 百閒 夏彦がいた―昭和の文人あの日この日―』筑摩書房 2010
の2冊、いずれも200円で、雨宿りの駄賃のつもりで買い求め、
小一時間ほどして、一涼しくなったバイパス道を帰りました。
帰宅後湖北での竜巻被害のニュースを聞ながら、獅子文六の方から読み始めました。
最初はちょっと新聞出身者特有の文章かなと感じましたが、
しばらくして面白くなり、最後まで一気に読んでしまいました。
文化勲章まで受けている、しかし、しばらく忘れられていたこの作家にふただび光があたるようになったのはここ十年くらいでしょうか。
「昭和」へのノスタルジーもてつだってのことかとも思いますが、一回時代の舞台がクルッと廻って、読み直してみると面白い。再発見の喜びを伝記の形に託して、これまたさらりとまとめた本として楽しめました。
タイトルにある「二つの昭和」の部分は、ことさらに強調されているわけでないのも余韻があるように思いました。